今月の1枚
Title
終点のその先へ、大自然の架け橋
撮影:Y・T / 寄稿:Y・T
撮影場所:畑薙大吊橋 大井川 静岡県
今月の一枚は、大井川の大自然の中に悠然と架かる大きな吊り橋の写真です。
この吊り橋は、6月に寄稿した「今月の一枚」の奥大井湖上駅がある大井川鉄道・南アルプスあぷとラインの終着駅、井川駅(井川ダム)からさらに上流へ30kmほど進んだ先に架かる、全長181メートルの吊り橋です。
川面に映る橋の影からも分かるように、高さを実感できる迫力があり、風が吹くとギーギーと音を立てながら揺れるため、大井川の絶景とともにスリル満点の渡橋体験を楽しむことができます。
大井川の水は鮮やかな青色をしていますが、これは水の透明度が高く、水中の微粒子によって青い光が散乱されるチンダル現象などの影響によるものと考えられています。深い部分では、美しいエメラルドグリーンに見えます。
この橋を渡ると、いよいよ本格的な南アルプス登山のエリアへ入っていきます。
ここから先は手つかずの自然が色濃く残る地域で、日本の国土の約7割が森林に覆われた山岳地帯であることを改めて実感できます。
一方で、人間の技術革新や開発によって、自然環境との関わり方も変化しています。
昭和期に数を減らして絶滅危惧の状態にまで追い込まれた熊は、保護施策などにより個体数が回復傾向にあります。
しかし、森林環境の変化や人間活動の拡大によって熊の生活エリアが変化し、人里へ出没するケースも増え、社会的な課題として注目されるようになっています。
また、世界規模では森林減少が進み、気候変動や地球温暖化との関係も指摘されています。
人間が豊かさを求め続ける限り、開発そのものを完全に止めることは難しいのかもしれません。
しかし、自然の保全と人間の生活、その両方を成り立たせるためには、さまざまなバランスを考えながら向き合っていくことが大切だと感じます。
雄大な大井川や南アルプスの景色を眺めながら、自然と共生することの意味を改めて考えさせられる旅でした。