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紙にすれば、地球は本当に喜ぶのかしら。

少し前に、オーストラリアへ行きました。

海外に行くと、街並みや食べ物だけでなく、商品の並び方にも日本との違いを感じます。
特に今回は、弊社の海外営業の方と一緒に現地のコンビニを回る機会がありました。

「この商品、お客様にうちの機械を使ってもらっています」
「これはこういう包み方ですね」

そんな話を聞きながら棚を見ていると、コンビニが少しだけ展示会場のように見えてきます。
その中で気づいたのが、チョコレートバーの紙包装でした。
日本でも紙ストローや紙容器を見かける機会は増えましたが、海外の売り場で見ると、また少し違って見えます。
「プラスチックを減らす」という流れは、日本だけの話ではないのだと実感ます。

一方で、別の売り場では違う発見もありました。
お肉売り場を見ると、真空パックの商品が多く並んでいました。
日本のスーパーでよく見るような、薄切り肉のトレー包装とは少し雰囲気が違います。
そもそも薄切りにカットされたお肉自体も、あまり見かけませんでした。
これはプラスチックなんだ。

さらに、ホテルのサービスでは、ペットボトルの水ではなく、なぜか紙パックの牛乳が入っていました。
水ではなく牛乳。
しかも紙パック。

ありがたいのですが、朝起きて見たときに少しだけ脳が追いつきませんでした。
「水分補給」のつもりで手に取るには、やや濃厚です。

でも、こうした違いを見ていると、包装は素材だけの話ではないのだと感じます。

何を売るのか。
どう食べるのか。
どのくらい保存するのか。
どんな売り場に並べるのか。
その国の暮らし方や食文化によって、包装の形も変わります。

もちろん、紙が悪いと言いたいわけではありません。
紙には紙の良さがあります。
見た目にも自然で、環境に配慮している印象も伝わりやすいです。

ただ、包装の世界で考えると、話は少し複雑です。

お菓子を紙で包む場合でも、紙だけで成り立っているとは限りません。
湿気を防ぐため。
油が染み出ないようにするため。
香りや食感を保つため。
必要な性能を持たせるために、内側に別の加工をすることがあります。

すると、見た目は紙でも、実際には紙と別素材が組み合わさった包装になります。
そうなると、今度は「リサイクルしやすいのか」という別の問いが出てきます。

紙にした。
見た目は環境によさそう。
でも、資源として戻しにくくなるかもしれない。
でも、環境に対してのメッセージにはなるかもしれない。

一方で、プラスチック包装にも考えるべき点があります。
たとえば、フィルムを薄くすれば使う材料は減らせます。
でも、薄くしすぎて破れやすくなったり、中身を守れなくなったりすれば、本末転倒です。
包装が弱くなって食品が傷みやすくなれば、食品ロスが増える可能性もあります。
ここが、プラスチック問題の難しいところです。

「プラスチックは悪い」
「紙は良い」

そう言えたら、とても簡単です。
でも、実際の世界はそこまで素直ではありません。

大事なのは、素材の名前だけで判断しないことだと思います。

何を包むのか。
どこまで運ぶのか。
どのくらい保存するのか。
使い終わった後、どう回収されるのか。
そして、どこまで材料を減らしても中身を守れるのか。

そこまで見て、初めて「この包装はよい」と言えるのではないでしょうか。

海の向こうのコンビニに並んでいる商品。
その商品を包む機械。
その包装を選んだお客様。
それを手に取る現地の生活者。

海外営業の方に教えてもらいながら売り場を見ることで、それらが一本の線でつながって見えました。

紙にすれば終わり。
プラスチックをなくせば正解。

そう言い切れないところに、包装の面白さがあります。
そして、少しだけややこしいところでもあります。

地球は、たぶん素材名だけでは喜びません。

紙か。
プラスチックか。
バイオマスか。
リサイクル材か。
それとも、今より少し薄くするのか。

名前だけで判断するのではなく、どう作られ、どう使われ、どう戻っていくのか。
プラまじでは、これからもプラスチックに白黒をつけすぎず、身近な包装から考えていきます。

次にあなたがお菓子を手に取るとき、その包装は何を守るために、その形をしているのでしょうか。
そして、その包装は使い終わったあと、どこへ向かうのでしょうか。

執筆者:R.O