ACTION REPORT
プラスチックをめぐる“今” —「プラまじ」プロジェクトメンバー座談会

「プラスチック問題をまじめに考えるProject」が起ち上がり、10月より始動しました。
先日行った、プロジェクトメンバーそれぞれが考える「プラスチック」についての座談会の様子をお送りします。
先日行った、プロジェクトメンバーそれぞれが考える「プラスチック」についての座談会の様子をお送りします。

生産管理部
T.S

人事部
R.O

生産部
I.K

品質保証部
Y.T

皆さんがプラスチックに抱く印象を聞かせてください。
R.O | 今日は「プラスチック」について率直に語り合っていただきます。まず、皆さんがプラスチックに抱く印象を聞かせてください。 |
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T.S | 生活の中で本当に広く使われている素材ですね。ただ、プロジェクトで扱う中で感じるのは「問題点が何か」がまだハッキリしていないこと。石油由来であることが問題なのか、健康面なのか、環境への影響のどの段階が悪いのかを整理する必要があると思います。 |
Y.T | マイクロプラスチックの海洋生物や最終的な人体影響について、社会全体の意識はまだ十分とは言えません。情報収集や専門家の知見が必要です。 |
R.O | 一方でプラスチックは「夢の素材」でもありますよね。恩恵を受けている部分を否定せず、どう向き合うかを社外にも発信していくべきだと考えています。包装材の使用量が車や家電より多い現状もありますし、そのバランスを考えたいですね。 |

フジキカイとプラスチックとの関係は?
R.O | フジキカイは包装機械メーカーですが、その立場から見たプラスチックとの関係についてはどうですか? |
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I.K | フジキカイはプラスチックフィルムを使用する機械を製造していますが、入社時に「私たちの包装は後世になくならない」と言われたことが印象に残っています。日本の生活様式では包装は欠かせないし、その視点が自分の会社選びにも影響しました。 |
Y.T | 機械の検査や現場での扱いを通じて、包装業界におけるプラスチック削減や代替の可能性、メーカーとしての意見を知っていく必要があると考えています。 |

業務上でのプラスチック使用に関する意識は?
R.O | 業務をする上で、プラスチック使用について意識することはありますか? |
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Y.T | 例えば機械検査の「空運転」で出る検査用フィルム。コスト抑制で消費を絞る意識はあるものの、環境面での取り組みはまだ弱い。またフィルムの端材や品質の悪い切れ端の処理方法についても課題です。 |
I.K | パレット管理も問題です。工場で使うプラスチックパレットは5年で約6割が紛失してしまうという実態があり、物流の現実から完全回収は難しい。ナンバリング等で対策はしていますが、改善余地があります。 |

プラスチックの「功罪」について
R.O | プラスチックの「功罪」についてはいかがでしょうか? |
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Y.T | プラスチック包装がなければ食品の保存性や衛生面が損なわれる場面が多く、実際に賞味期限の延長や感染症対策としての効果は無視できません。例えばおにぎりの包みが葉からフィルムに変わったことで保存性が上がった歴史もあります。だから単に「悪」と切り捨てられない。ただ、マイクロプラスチック等の潜在的リスクとのバランスをどう取るかは非常に重要です。 科学的な根拠を元に、どの段階(製造/使用/廃棄)が一番問題を起こしているのかを明確にする必要があります。 |

今後のプロジェクト活動について
R.O | 今後本格的にプロジェクト活動がスタートしていきますが、どんなことをやっていきたいですか? |
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T.S | まずは「恩恵」と「課題」を整理すること。単純にプラスチックを否定するのではなく、生分解性プラスチックなど環境負荷が少ない素材の可能性も検討していきたいです。 |
Y.T | 有識者との意見交換の場を設けて、科学的・実務的な視点を取り入れていきたいですね。 |
I.K | 新入社員や大学生がプラスチックをどのように考えているか知っていくのも重要です。 |
R.O | 小学生のSDGs教育における状況や、世代別の認識調査をやるというのもいいかもしれないですね。若い世代がどう考えているかを知ることで、現場で実行可能な対策が見えてくるはずです。 |
ネクストアクション
- プラスチックの恩恵と環境負荷について整理・調査する。
- 有識者との意見交換会を開催する。
- 新入社員・大学生の意識調査を実施する。
- 小学生のSDGs教育内容を調査し、世代間認識差を把握する。
- プラスチックが抱える問題点(製造・使用・廃棄のどの段階が最大の課題か)を明確化する。
今回の座談会は自分たちの考える「プラスチック」についてのブレストミーティングとなりました。プラスチックは、暮らしを便利にしてくれる一方で、気になる点もちゃんとある――そんな当たり前の事実が今回の話で改めて見えてきました。だからといって「全部ダメ」にはせず、まずは小さな一歩を積み重ねることが大切です。データと現場の声、有識者の知見を組み合わせて、現場で実行できる改善から取り組んでいきましょう。若い世代の意識調査やSDGs教育の確認も並行して行い、社内での学びをゆっくり共有していけば、自然と説得力ある活動になっていくはずです。
まずは「やってみる」ことを優先に──小さな改善を回して学び、それを社内外に伝えていく。これからも皆で一緒に考え、試していきましょう。
まずは「やってみる」ことを優先に──小さな改善を回して学び、それを社内外に伝えていく。これからも皆で一緒に考え、試していきましょう。