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牛乳からプラスチックを作ったら、台所が少しだけ研究所になった話

プラスチックについてまじめに考えるプロジェクト、通称「プラまじ」。
まじめに考えると言っておきながら、今回まず用意したのは、牛乳でした。

牛乳。

あの、朝に飲むやつです。
コーヒーに入れるやつです。
うっかり賞味期限を見落とすと、冷蔵庫の奥で静かにこちらを責めてくるやつです。

今回は、その牛乳からプラスチックのようなものを作ってみました。

正確に言うと、牛乳に含まれるたんぱく質を固めて、昔のボタンなどにも使われていた「カゼインプラスチック」に近いものを作る実験です。
実は僕、理科好きなんですよ。実は。

材料は、牛乳とレモン汁。

この時点ではまだ「朝食」でした。
プラスチックというより、完全にキッチンでした。
牛乳を温める。レンジで2分。
そこにレモン汁を入れる。
混ぜる。
すると、だんだん牛乳が分かれていきます。

白い固まりと、黄色っぽい液体。

見た目としては、かなり不安です。
飲み物としての牛乳は、もう帰ってきません。

「これは成功なのか」
「それとも、牛乳に取り返しのつかないことをしただけなのか」
そんな気持ちになりながら、白い固まりを取り出しました。

キッチンペーパーで水分をしぼり、手でこねて、形を整える。
このあたりから、実験というより工作です。
いや、工作というより、何かに謝りながら粘土をこねている感じです。

それをしばらく乾かすと、少しずつ硬くなっていきました。
そして最終的に、たしかにプラスチックのような質感のものができました。

すごい。

牛乳、飲まれるだけではなかった。

ただし、できあがったものは、当然ながら市販のプラスチック製品とはまったく違います。
水に強いわけでもありません。
ものすごく丈夫なわけでもありません。
これで包装機械を作ろうとしたら、たぶん機械より先にこちらの心が折れます。

でも、面白かったのは「ちゃんと使える素材ができたか」よりも、牛乳の見え方が少し変わったことでした。

私たちは普段、プラスチックを完成品として見ています。
でも今回、牛乳が固まり、形を持ち、素材のようにふるまう様子を見て、少し考えました。
プラスチックは、突然悪者としてこの世に現れたわけではありません。

もちろん、今のプラスチック問題を軽く見ることはできません。
けれど、「プラスチックは悪い」とだけ言ってしまうと、そこで考えることが止まってしまう気もします。

牛乳からプラスチックのようなものを作る。

文字にすると、なかなか変なことをしています。
実際にやってみても、まあまあ変でした。

ちなみにカゼインプラスチックっぽいやつなので型抜きでくりぬいてボタン作ってみました。
かなり牛乳のにおいがするので使えはしないですが。