プロジェクトストーリー03「ロボット包装機」を
大手食品メーカーへ導入
小川 浩樹技術本部 / エンジニアリング設計部 / 課長代理 / 2007年新卒入社
機械系の大学を卒業し、入社後は生産部に配属され4年間従事。2011年にエンジニアリング設計部に異動。
2021年より課長代理としてチームの要として活躍中。
板倉 亮太技術本部 / 設計部 / 2014年新卒入社
2014年入社し、2年間生産部で機械調整を行い知識を学ぶ。
2016年に設計部に異動し、ユーザーの要望に沿った包装システムの仕様設計に従事。
01ロボット包装機械の設計に挑戦
より良い製品を創り上げるためには、何が必要だろうか。
フジキカイは、営業・設計・生産のチームで、顧客のニーズを満たす製品を創り上げる。
その過程で、各チームのメンバーは試行錯誤を繰り返し、より良い製品に仕上げるために、知恵を絞る。
製品の根幹を担う「設計」は、製品の全てを司ると言っても過言ではなく、プロジェクトの成否を分ける存在と言える。
小川と板倉に一件の案件が舞い込んできた。
大手食品メーカーで使用されている包装機械の袋詰めの案件だった。
これまではメカを利用したものを使用していたのだが、新規に置き換えるにあたって、ロボットを使ったものに置き換えることになった。
02ロボット包装機の開発
ロボットを用いた開発は、メカ機に比べて自由度がある。
メカ機の場合は、ある程度搬送ルートが決まっており、その決められた範囲で作ることになるのだが、ロボットの場合は、ロボットが届く範囲であればどこにでも運ぶことができ、メカ機では再現が難しい複雑な動きにも対応することができる。
そのため、機械の作業工程を減らすことができ、省スペース化にも繋がるというメリットがある。
しかし、ロボットを用いた開発は容易ではない。
メカ機に比べて非常に複雑な動きをするからだ。
開発はシミュレーションソフトを使って、動作時間に余裕があることを確認をしながら作らないと、たちまち能力不足に陥ってしまう。
これを解決するためには、吸着時間、圧着時間、停止時間など、様々な動作項目を盛り込んだ正確なシミュレーションをする必要があるのだ。
03『超音波シール』の導入
このプロジェクトでは新たに『超音波シール』が導入された。
『超音波シール』は、超音波で振動させることによって熱を発生させて、フィルムを瞬時に溶着する技術だ。
予備加熱の必要がなく、電源を入れた後すぐに稼働できるというメリットがある。
また、熱をもたないので製品への影響も少なく、高温になることもない。
さらに、超音波を使うことによって、シール部分を短くできるため、コスト削減にもつながる。
この『超音波シール』を使用する際、トラブルが発生した。
ケーブルが断線し、部品が破損してしまったのだ。
04迅速なトラブル対応
製品を無事に出荷し、現地でテスト稼働を行った際に再びトラブルが発生した。
製品のシールの部分が、いくつかシールが切れているものや破れているものがあったのだ。
「どうなっているんだ!?」
現場に緊張が走った。
出荷前に社内での確認は十分に行っていた。
しかし、現地での確認は、前工程も含めて長時間に及ぶ。
何千・何万もの包装を行おうとすると、そこではじめて問題が発覚する場合もある。
フジキカイのスタッフはすぐに機械を確認して、どこが原因なのかを突き止めた。
製品を箱に入れる時に、製品が箱にわずかに当たりながら入っていたことが原因だった。
現場担当者はその場で仮部品の図面を書き、すぐに作成できる部品はその場で作成と交換をし、商品が出荷される前に事態は収拾した。
05プロジェクトを設計する
「設計」は些細なミスが大きなトラブルに繋がる可能性がある。
「社内調整時にあらゆる場面を想定した設計を行うことで、いかにリスクヘッジできるかを考えることが大事です。予め対策を取っておくことで、トラブル回避やトラブルが発生したとしてもすぐに解決することができると思います。また、トラブル発生時はなるべく早急に手を打つことで被害を最小限に抑え、お客様の不安を少しでも軽減するためにスピード感も重要だと思います。」と小川と板倉は語る。
ユーザーの想いを反映した機械を設計するためには、プロジェクトの背景や目的を意識し、設計者自身の考え方や、根拠をもった設計が必要である。
その後、大手食品メーカーとは良好な関係が続いており、何台もフジキカイの製品を導入している。
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